もともと山が大好きな私たちは、ヨーロッパの旅でたくさんの山を歩きました。
スイス、フランスのシャモニー、フィンランドを合わせて、20日間のハイキング。
「ハイキング」というと、ピクニックみたいなイメージを浮かべる人がいるかもしれませんが、ヨーロッパ的には一般の山登りのことをハイキングと言います。
今回は、ちょっと趣向を変えて、
- なぜ、私たちがこんなにハイキングに魅せられてしまうのか
- ヨーロッパのハイキングでどんなことを感じたのか
についてお話ししてみたいと思います。
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ハイキングの魅力とは?
自然と共に生活しているスイス人、フィンランド人
ハイキングは、スイス人の国民的余暇活動と言ってもいいかもしれませんね。それくらい、小さな子どもからお年を召した方まで、スイスの人々の間で浸透していました。
スイス人は、休みでもあまり外国へ行く必要がないんだよと、話してくれた人もいました。そうですね、あちこちが大自然の観光パラダイスって感じですから。
同じように、人々が自然に親しんでいたのがフィンランドです。フィンランドは、もっと手軽な森散歩のようなハイキングが国民の間で人気がありました。
長靴を履いて、カゴを持って、キノコ採りやベリー採りに森へ入る家族を何組も見かけました。
どちらの国でも、山や森へ行くのはいつもの活動って感じで、とてもナチュラル。
自然と共に生活しているというスタイルがにじみ出ているのです。
新しいファッションに身を包んで、意気込んで山へ行く日本人とは対照的だなぁって。
晴れているときの、息を呑むような素晴らしい景色が見たい!
私たちにとってのハイキングの魅力とは、
「晴れているときの、息を呑むような素晴らしい景色」と
「人間の作った世界から完全に離れ、大自然につつまれるドキドキ感」です。
山を歩いていれば、何千年も前から変わらない景色の中に立つことができるのです。
もちろん、変わってしまっている景色も多々ありますが。
と同時に、人間も山で出会ったマーモットやアイベックスと同じく、地球の一部であり、この地球の自然の中で生きられるように進化してきた動物であることも感じられました。
つまり、ハイキングは私たちにとって、
地球で生きているよ〜〜〜!!を実感できる瞬間なのです。
だから、朝から雨が降ってなければ、曇っていても、予定通りハイキングへ出発していました。
曇っていた日は、たいてい雨になったり、雪になったりと天気が悪くなるものです。
晴れていた時の清々しい開放的な気分から、一転、恐怖を感じることも何度かありました。
山で感じた自然の脅威と、そこから生まれる感謝
ツール・ド・モンブランで人気のラックブラン小屋に泊まったとき、
ヒョウが降ったり、虹が出たり、一晩中すごい雷がなったりと、いかにも嵐って感じで。
ラックブラン小屋は、しっかりした建物で、不安はなかったけれど、途中で一緒に歩いたイラン人のおばちゃんはなんとテント泊!?
夕食後、小屋にココアを飲みに来ていて、「大丈夫?ここに避難するの?」って聞いたところ、「テントで寝るよ」って話していたのです。ホントに!?
あの大嵐のような中で、一晩を過ごす恐怖は想像以上だったと思います。もしかしたら、小屋に避難したのかもしれないけれど、定かではありません。
日本の山小屋と違って、希望者を全員受け入れるわけではなく、完全に予約制。
激しく打ち付ける雨音を聞きながら、おばちゃんの無事を心から祈ったし、自分が安全な小屋で眠れることに感謝したことをよく覚えています。
翌朝、おばちゃんのテントを遠くから見て、無事であることを確認してから出発しました。
現代では、特に都会にいれば、自然の中にいる(地球上にいる)ことや自然の怖さを感じることはほとんどないですよね。家の中にいれば、たいていは安心で快適。
自分が地球の一部で、動物の仲間だなんて考えることもないでしょう。
でも、昔の人は、建物も少なく、粗末な建物の中で毎日暮らしていたのだから、太陽のありがたみと自然の脅威を痛いほど感じていたのだと思います。
だから、昔から日本では、太陽や山が神様として祀られてきたのでしょう。
日本でも、自然界の神様が怒らないように、ご神事を行い、共に生活してきたのですね。
人間世界から完全に離れた神秘の世界がそこにある
先ほどのラックブラン小屋で、迎えた朝。
というか、どうしても夜空が見たくて、起きたのは夜明け前。
大嵐は夜中にはおさまり、窓からも月が綺麗に見えたので、急いでカメラを持って外へ出ました。
当たり前だけど、起きている人は誰もいません。でも、小屋の目の前だから特に怖くもありませんでした。
まだ薄暗く、あたりは完全に静まり返っていて、太陽も、谷の下に眠る町も全く見えません。
見えたのは、モンブランと連なる険しい山々、月、雲海。
まるで、神様がすぐそこにいるような、話ができそうな、そんな神秘的な時間。
その場に立つことができた、いろいろなことに感謝せずにはいられませんでした。
ラックブラン小屋を建てた人、ラックブラン小屋で働いている人、予約してくれた観光案内所のベルナデッドさん、お金を貯めることができた前の職場などなど…。
怖がりの隊長が、ひとりで、30分くらいその世界を独り占めしていました。穏やかで、平和で、地球を感じられる瞬間。
太陽の暖かさをジワ〜って感じる時。今日も出てきてくれてありがとう〜って言葉が出ちゃうほどです。
だから、山の世界はやめられないのだ
そんなわけで、私たちの感情を深〜くまで刺激するのが自然の世界なのです。
もちろん、想像もできない素晴らしい景色の中に入れることや、歩いた後の爽快感も山を歩く大きな魅力です。
皆さんも、ぜひ、山に足を運んで自然を感じてみてください。
天気にはくれぐれもご注意を。
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