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ピローグキャンプ2日目の朝
朝食、荷造りを済ませ、朝7時に出発だ。
私たちもパドルを借りて、交代で漕いでいきます。
朝の川は穏やかで、気持ちよ〜く進みます。
涼しい午前中は、川全体に野鳥の声がよく響きます。
鳥好きでなくても、どんな鳥が鳴いているんだろう?とキョロキョロ探してしまうほど、野鳥がたくさんいるのだ。
出発して約2時間。たくさんの人が洗濯しているのが見えてきた。
子どもたちは体を洗っているようだ。
どうやら、ここに村があって私たちも上陸するらしい。食料の買い出しと、村散策だ。
村でスターになる!?
川沿いの村は、ピローグを使って行き来したり、モノを仕入れたりしているようだけど、ここの村は、道路とも繋がっているのか、かなり大きめのマーケットがあった。
そして、子どもがたーくさん!
どこへ行っても子どもたちに囲まれてしまう。
村を歩いている間じゅう、右手も左手も握られ、取り巻きが付いてくる。人生最高のモテ期か!?
何度も何度もケンカをしている子どもたちに、新人はすっかり教員モード。
「あー、ケンカはだめ!ほら、そこ、叩かない!!」って、日本語で…。ちょっとキレ気味でね。
ラライナさんの買い物を終え、再びピローグへ。
子どもたちとサヨナラし、たくさん手を振りながら、スターって大変だなぁって感じた私たちでした。
暑さと風の中でのランチ
今日は風が強い。昨日よりも暑さが少し和らいでいて、気持ちがいい。
パドルを持っていない時は、どんな鳥がいるのかを観察したり、ラライナさんにマダガスカル語を教えてもらったりと、1日目よりも楽しみ方がわかってきた。
今日のランチは、チキンの丸焼きだ。
ピローグを降りて、マンゴーの木の下でいただきます。昼間の日差しはあっついから、木陰での休憩はありがたいのだけど、風が強くて砂が痛いくらいに飛んでくる…。
当然、このチキンも、ご飯も、デザートのマンゴーも砂まみれに…。
しかも、この場所で遊んでいた子どもたち9人に囲まれ、やや痛い視線を感じながらのランチ。
目の前でちびっこの兄弟げんかが始まり、泣きながら歩いてくる2歳くらいの男の子。
暑くても、ピローグで食べたほうが良かった…。
じゃりじゃりのランチを終えると、さらに風が強くなってきた。
- たばこの花
- ピローグタクシー発見
午後は、男性陣3人がかりで向かい風の中、波立つ川の中を逆らうように進んでいく。
パドルは3本しかないので、私たちができるのは、応援だけ。がんばれーみんな!
強風により緊急上陸することに
そのうちに、かなりバチャバチャと波が高くなってきて、ピローグの中に入ってくるようになった。
みんなの荷物も食べ物も、ピローグに置いてあるだけ。カバーをかけているわけでもなく、ましてや防水バッグなんてありません。
私たちが座布団代わりに座っているマットは、夜テントで寝るときのマット。
つまり、濡れたら大変なものばかりで、緊急事態!!
いつも明るいさんちゃんが、大きな声を出し、近くの岸に緊急上陸。
ピローグの中にあったものを全部運び出します。
とりあえず、風が落ち着くまで少し休憩しながら、濡れたものを少しでも乾かそう。
さんちゃんは、この付近の子どもたちにいろいろ聞いたり、残り物の食べ物をあげたりして、手伝いをさせる。さすがアフリカ。知らない人でも大人の言うことは絶対です。
ここには13人の子どもたちが遊んでいた。なんと全員が兄弟だって!!!!?
そりゃ、兄弟の中でも、ご飯あんまりもらえない子もいるよね。
上から2番目らしき男の子が、すっかりさんちゃんのアシスタントに昇格していた。
3人の子どもが遅くまで残り、私たちと遊んだり、筋トレしながら数を一緒に数えたり。
アシスタントの彼は、すっかり、私たちのカウンティングティーチャー。マダガスカル語での数の数え方をレッスンしてくれました。
2日目のキャンプは子どもたちも参加
結局、夜もここでキャンプすることになった私たち。
子ども達は警備隊のように、夜遅くまで一緒に火の周りに残り、ちょっと話をしたのだった。
習いたてのマダガスカル語を使って、
隊長: 空を指差しながら「マールキンタナ(星いっぱいだね)」←日本語としてはちょっときわどい…
子どもたち: 「マールキンタナ?」(星いっぱい?そう??)
ラライナさんが私たちの言いたいことを通訳してくれた。
毎日こんな星空を見ていたら、これって星いっぱいなの?って思うらしい。
なるほど、これが当たり前だもんね。
ここでは、私たちが完全にアウェーだ。
歯磨きしてるときでさえ、不思議そうに見つめられ、まるでタイムスリップしているかのようだった。いやいや、ここも2016年のはず。歯磨きはフツーでしょ?
翌朝、またしても日の出前に目が覚めた。
火の周りで寝ると言っていた子どもたちはさすがに寒くなったのか、いなくなっていたが、そのうちにまた戻ってきた。
- 子どもの真似をする隊長
- 3日目の朝食はクレープだ
朝日を見ながら一緒にまた体を使って遊ぶ。その後、贅沢な朝食タイムだ。
私たちが食事している時は、子どもたちは近寄ってこない。無言の約束があるらしい。
そして朝食は、驚きのクレープですよ。なーんてオサレなんでしょう。
タイムスリップ状態なのに、食事は本当に美味しいのです。このギャップ!
マダガスカルで考えさせられるガイドとの付き合い方
彼らにとって、精一杯のおもてなしは、ガイド・使用人(裏方)とお客を分けるという考えだ。当然、子どもたちだって近寄れない。
初めのうちは、ラライナさんやさんちゃんは私たちと一緒に食事をしなかった。
しかし、ピローグに水が入り、ご飯や野菜が流れてしまい、予定のおもてなし料理が作れなかったこともあり、食べるものは違うけど、一緒に話をしながら食べるようになっていた。
予定外だったキャンプ地を後にする頃には、私たち5人も子どもたちもかなり仲良くなっていた。私たちとしては、年上のおじさんが一生懸命に漕いでいたり準備したりしている姿は、使用人?というより、尊敬すべき仲間のようだった。
だから、朝ここを出発した時は、ピローグツアーの終わりが近づいてきてすっかり寂しくなっていた。
3日目の朝。川は前日とは打って変わって静かで穏やか。
野鳥の声が賑やかで、漁をしている人も多い。
- 朝は涼しくて、鳥の声が賑やか
- ピローグで漁をしている人
大声で歌いながら漁をしている人がいて。
さんちゃんのおしゃべりは絶好調で、まるで歌のようだ。
時間はゆったりと流れていた。
3時間くらいはピローグに乗っていたのだろうか。ゴール地点のチャラウタナという村に到着するまではあっという間だった。
2日と半日、私たちの面倒を見てくれたラライナさん、さんちゃん、タテさん。
彼らがいなければ、ここでは何もできない私たち。
彼らなりの、不器用だけど一生懸命なおもてなしを何度も感じることがあった。
言葉は思い通りには伝わらないけれど、きっとお互いの気持ちは通じ合っていたと思う。
マダガスカルでは、フレンドリーの中にもお客と使用人、外国人とマダガスカル人という境界線がどうしても強く感じられる。先進国ではあまり気にならなかった、途上国ならでは感覚。
あちこち旅をしているからこそ、今までの国との違いを感じてしまう。
友達とは一口に言い切れない複雑さ。
メールや写真を簡単に送ることもできない歯がゆさ。
ありったけの気持ちを込めて、ありがとうの握手をして彼らと別れたのでした。
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