ツェルマット近くにある、13個の4000m級の山々と氷河に囲まれた村、ザースフェーでハイキングだ。
村を散歩するだけでも、スンバラシイ絶景を望めるけど…、ハイキングコースもたくさんあるし、ほとんどの乗り物は無料だし〜!
せっかくだから、さらに大自然にどっぷり浸かりましょ。
しかし、これまではあまり出会わなかった、しっかり装備のアルピニスト風な人が多いザースフェー。
私たちでも歩けるのかなぁと、ちょっと心配もしましたが、一般ハイカーでも歩ける楽しいコースがたくさんあるのです!
”たくさん人がいるコースを歩く”という、自分たちのルールに従い、その場で決定したいちばん人気のコースです。
- ハイキングルート:フェルスキン Felskinn 〜 ブリタニア小屋Britaniahütte 〜 プラティエン Plattjen
- 日にち:2016年7月8日
- 所要時間:約3時間半
- 距離:7km
- 体力レベル&難易度:距離は長くないけど、雪道や崖沿いあり 中級者〜
- 歩いた感想:かなり面白い!雪の上を歩いたり、崖沿いを歩いたり、景色がコロコロ変わり、いろいろなドキドキ感が楽しめましたよ。いちばん人がたくさん歩いていた人気のコースです。あまりの雪景色に最初ビビりますが、よく山を歩いている人なら、注意して歩けば大丈夫でしょう。
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このコースを選んだのは、偶然?直感?
どこを歩こうか調べていると、”マーモットと触れ合える”という魅力的なハイキングコースを発見!よし、そこにしよう!
当日の朝。
宿から歩いてロープウェー乗り場を目指したのですが、見つからず…。たまたまたどり着いた別のロープウェーに乗ってみました。たくさんの人がそれに乗ろうとしていたし…。
とりあえず、上まで乗って景色を見て、帰ってこようってね。ま、無料だし。
一気に3000mくらいまで上がってきたロープウェーの中からは、こんな景色だ。
ちょっと怖いくらいだ。
で、ロープウェー降りたら、一面の雪景色!
周りはみんな、軽装のハイカー。あれっ!このロープウェイ駅フェルスキンから歩くのが人気コースなのか!?。
サン・モリッツで決めた、”人がいるところを歩く”というルールを思い出し、よし、今日はここを歩くことにしよう!と急遽、コース変更したって流れです。
もちろん、このコースの詳細も前日にリサーチ済みで、調べたサイトも保存して持っていたので安心でした。
フェルスキンからブリタニア小屋を目指して雪の中を歩く
雪一面の銀世界を一歩ずつ踏みしめながら歩いていきます。
「よし、あのおばちゃん2人についていこう」とか、「あのお兄ちゃん4人組から離れないようにしよう」か、”人がいるところを歩く”ことを忘れずに歩くように気をつける。
そんなルールを思い出すくらい、ちょっとドキドキする世界なのだ。
でも、歩いている人は、ジーパンだったり、リボンのついた帽子をかぶった、軽井沢にいそうな服装のおばちゃんだったりで、ちょっと安心する。
みんな、足元はしっかりとしたトレッキングシューズだけどね。
こんなとこにテント泊していたストレッチ中の2人組。カッコイイ〜!
1時間ほど雪の上を歩くと、ブリタニア小屋に到着だぁ。
ブリタニア小屋から氷河がすぐ目の前にどーん!
さっきまではちょうど影になって見えなかった、アラリン氷河がすぐ目の前に出現!!
「うわ〜〜〜〜!!」思わず声をあげる。そして止まらない。「うわ〜、うわ〜、うわ〜…」
すごいところに来ちゃったな〜、というのが正直な感想デス。
なんという世界だ!
こんな景色が、私たちのような一般人にも見られるなんて。
しかも、ロープウェーを使えば、徒歩でたったの1時間ほどですよ。
さらに小屋の隣にある、小さいとんがった山の頂上まで登ってみる。
狭くてドキドキの頂上からの景色は、はい、これ。
迫り来るアラリン氷河、ザースフェーの反対側の谷、村と、そしてダム湖。
しばし言葉を失いました。
この小さな頂上で腰を下ろし、5分ほどこの景色を目に焼き付けた…。
ここにずっといたくなるけど、まだ先は長い。出発しなくちゃ。
上から見るブリタニア小屋だ。
こんな景色の中に、立派な山小屋を立ててしまうスイス人に脱帽です。
みんなテラスでおしゃれにスープなんて飲んでいる。恐るべし、スイス!
ここを拠点にさらに上の方のアラリンホルンへ歩いていくアルピニストもいるようです。
私たちはここで、トイレ休憩。水洗ではないけど、トイレはなかなかきれいでした。
ドキドキの崖沿いウォークでアイベックスに出会う
小屋から少し下り、今度はプラティエンを目指します。
相変わらず、雪上ウォークで、踏み固められた足跡をたどって進んでいく。
たまに柔らかい箇所があって、ズボッと膝くらいまで埋まってしまう。
雪一面の世界が終わると、今度は崖沿いのドキドキウォーク。
さっきの頂上から見えた、ザースフェーの反対側の谷沿いを少し下りながら歩いていく。
怖いところにはロープがあり、バランスよく歩ければそこまで難しいコースではないかな。
と、突然、新人が「アイべがいる」と。
何をふざけてんだと思って振り向くと、そこには、
アイベックス!!
本当にいた!!
大きくて立派なツノ、茶色い体はそこまで大きくない。
ペーターは、大角のダンナって呼んでたな。あ、ペーターって、『アルプスの少女ハイジ』に出てくるペーターのことですよ。
全く音を立てずに静かに下りて、10mくらいまで近づいてくる。
こちらも動かず、音を立てないようにじっと見つめる。
・・・
ちょっと神秘的で、不思議な時間が流れた。
大角のダンナは私たちの動きを観察しながら、ラクダのように口を動かして、ムシャムシャと草を食べている。
その後、下へ下へと歩いていき、岩の向こうへと消えていきました。
新人によると、ケモノの臭いがぷーんと感じられ、横を見たら大角のダンナがいたそうだ。
初めて会えたアイベックスにすっかり興奮状態の2人。心臓はこの後もドキドキしたまま。
他のアイベックスがいないか、立ち止まってはキョロキョロしながら崖沿いを進んでいきました。
この辺りはエーデルワイスの群生地って書いてあったけど、見たのはこの一本だけ。
時期が早かったのかなぁ。
そこから岩場を下って、ぐるっと向こう側へ行くと、
帰りはここからゴンドラに乗って、ザースフェーに下りていきます。
緊張感とスリルに酔いしれたハイキング
今回のコース、今まででいちばんお・も・し・ろ・い!!
雪の上を歩き、崖沿いを歩き、アイベックスに会い、景色がコロコロ変わり…、いろいろなドキドキ感で私たちの感情を大きく揺さぶったコースでした。
歩いたのはたったの3時間半、7kmだけど、一生忘れないハイキングだったと思う。
ここを歩く!と決めた直感に感謝です。
ちなみに、初めに行きたいと思っていたマーモットふれあいコースで利用したかったロープウェーですが、帰り道に確認したところ、2016年7月は工事中のため動いていなかったのでした…。
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